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LINK 1st Anniversary EVENT REPORT |
早いもので、LINKも一周年を迎えることとなった。「1st anniversary」と銘打った記念すべき今回は、なんと渋谷ON AIR WESTでの開催!あの広い開場で、どんな映像演出を見せてくれるのだろうか…?期待に胸を躍らせつつ出演するアーティストの名前に目を向ければ、その豪華さはまさに垂涎もの。ex) P-MODELの福間 創を中心に結成された、ハイクオリティ・エレクトロユニット「soyuz project」。パワフルなステージングが魅力のハイパー・グルーヴユニット「cublic.」。新たにSYSTEM2として、ROLANDグルコングランプリのUENOを迎え、更に快楽度を増した「VOMOS」。インダストリアルなサウンドと、メロディー、映像が絶妙の絡みを見せる「STAIN」。そして、トリにはソフバ復活を果たし、益々その動向から目が離せない「森岡 賢」。これら幅広い個性が強力VJ陣の映像と絡み合い、一体どのような一夜になることか…。会場にはオーディエンス達が期待に満ちあふれた様子で、開場と同時に早くもノリノリのDJ playに身を任せていた。 まず、驚かされたのが、いつもよりかなり広いステージ一面に貼られた超〜巨大スクリーン。そこに映し出される映像も、いつにも増してクリアで美しい!左右に置かれた多数のモニターとともに、LINKの醍醐味である映像演出の妙をさっそく味わう事ができる。シンプルなようでいて、会場に合ったバランスのいい配置。 WESTに行き慣れた人なら、普段との雰囲気の変わり様に驚いたのではないだろうか? |
■SOYUZ
PROJECT □VJ.山口淳二 |
トップバッターは前回に引き続き登場の、soyuz project。スクリーンに映し出される「ゴユックリ オタノシミクダサイ」と、なんともストレートで可愛らしいメッセージ。これから始まるひとときへの期待で胸がワクワクする。そのサウンドは、ステージ上で、ほとんど動かない3人の姿に反して、かなりダンサブル。なんとなくノリどきを掴めずにいたオーディエンスも、気付けばノリノリである。自然に身体が動いてくるこの絶妙なビート感!そこに絡むのは、プログラミング画面を思わせるデジタリックな映像と、不可思議かつ、うさんくさいアジア感を見せる映像である。デジタルとアジアン。妙な共通感があるのは何故?……それにしても耳にも目にも、初っ端から極上のご馳走をいただいてしまった。しかしまだまだ続く「LINK 1st anniversary」。さて、つぎなるステージは…? |
■CUBLIC.
□VJ.CYCLE |
会場がほどよく暖まってきたところへ登場したのが、2番手「CUBLIC.」。なんといっても彼等の魅力は、そのパワフルなステージング!Vo.sugiyoshiのシャウト、クラブサウンドにロックの香りを絡ませるギターが会場を煽り、留まることを知らないかのように盛り上げて行く。スクリーンにはVJ.CYCLEの、万華鏡か華火のように鮮やかでキラキラした映像。強烈なビートと相まって、オーディエンスを目くるめくトランス感へと誘なう。思いきり飛び跳ねて、腕を振り上げているうちに、気付けばあっというまにラストの曲。この全力疾走のステージがなんとも心地よい。ハードでありながらも、POPで耳に残るサウンドがとても印象的。いつもCUBLIC.のステージは、ライブならではの楽しさを存分に味わわせてくれる!まさにLINKにおける起爆剤のような存? |
■VOMOS
□ VJ.O3cannel |
次はVOMOSの登場。ここでおっ、と思ったのがライブの進行。なんと転換をとらずにそのまま連続してスタートしたのだ!いわゆるライブイベントでは、このような演出はまず見たことがない。ノリが止まらずに、すんなりと次のライブに入り込むことができるのは嬉しいし、なによりすごく新鮮だ。 system2、UENOが加わった新生VOMOS、ステージ上での2人の音のやりとりは、踊りながら思わず微笑んでしまうほど楽しそう。上質のコラボレーションの何たるかが肌で感じられる貴重なステージではないだろうか?。そしてこの日は、もうひとつ印象的なコラボレーションが用意されていた。瞑想的な曲が流れ、登場したダンサーのアスカ。たおやかなその舞踏は、機材の立ち並ぶステージに有機的な輝きを放ち、会場中の空気を一変させてしまった。 この予想外の演出がすごくいいアクセントとなって、イベントに新たな空気を吹き込んだかのようだ。このような他ジャンルのアーティストとのコラボレーションをごく自然に絡めることができるなんて、改めてLINKの幅の広さを思った。 |
■STAIN □VisualOparator .Ueda Naoki |
そしてまた、転換による途切れなく移行して行き、次なるはSTAIN。ノイジーなギターの流れる中、モノクロの映像がステージに溢れる。インダストリアルなサウンドと絶妙の絡みを見せる映像は、メンバー自身の映像を素材として扱っており、まるでプロモーションビデオを見ているかのようだ。シンプルな演出が実にスタイリッシュでカッコいい! しかし、今回少し残念だったのは音のバランス。STAINの魅力である重厚なビート、サウンドに気持ちよくのっていくメロディ、ハードなギター…それらが、すべてひとかたまりになってしまっているように感じた。それぞれがバランスよく響けば、きっともっとすんなりとノリに入って行けたのではないだろうか? それにしても、LINK参加アーティストは、みんな確固たる独自性を極めて魅力的に打ち出しているアーティストばかり! その個性の響宴がぶつかりあわず、いい刺激となってイベントを形成しているのは、お見事というほかない。 |
■森岡 賢 □VJ.SiN-O |
お待ちかねのオーディエンスも多かったことだろう。大トリは森岡 賢の登場!会場が歓声に包まれる。セクシーな赤い衣装で現れた森岡氏、グラマラスなオーラで、たちまち空気を森岡色に染め上げ、のっけからオーディエンスの心をぐっと掴んでしまった。そのパフォ−マンス同様、エキセントリックでセクシーなダンスビートに会場中が夢中。中にはソロルバム「question」から懐かしの1曲が取り上げられるなど、ファンには堪らない曲目も。終始ほんとうに楽しそうにプレイしていた森岡氏の姿が印象的だった。両脇のサポートメンバー、Matsui、VJ.SiN-Oを笑顔で何度も紹介する姿は、見ているこちらも思わず笑みがこぼれてしまうほど。 アンコールでは他の出演者もステージに上がり、アーティストもオーディエンスもノリノリ。大盛り上がりの中で幕を閉じた。 |
人の徐々に引き始めたフロアには、まだまだ躍り足りない!といった風のオーディエンスたちが、何人も見られた。恐らく過去最高の盛り上がりを見せたであろう今回のLINK。帰ってしまうのがもったいないような気分と、思いっきり楽しんで充実した気分とがほどよく混ざった心地は、イベントの余韻と合わさってなんとも気持がいい。オールナイトイベント明けのしらじらした感じとはまた違う、これもまたLINKならではの醍醐味なのだろうか? クラブイベントでも、単なるライブイベントでもない、真にオープンなエンターテイメントとしての空間。誰もが気負わずに訪れることができるイベント。回を重ねるごとに、そのコンセプトは明確なものとなっている。(実際、客層の幅はちょっと会場を見回しただけでもかなり広いことがわかる)思えば、なんとハイクオリティなイベントだろうか!この空間に身をおける幸せを、改めて感じることができた。 さて次回11/24、Vol.6では、初のコンピレーションCDがリリースされるとか。これもまた期待できそうだ。楽しみに待ちたいと思う。 |
2002.8.28(wed) 渋谷ON AIR WEST organized by VOMOS thanks to.... ON AIR WEST staff All audience text:F |